仙腸関節を動かすカギとなる筋肉
こんにちは。
RANGE bodyトレーナーの室田です。
今回は「仙腸関節」についてです。
❏仙腸関節って動くの?
仙腸関節は動くという方もいればそうでないという方もいます。
「仙腸関節周囲に強固な靭帯があって動かない。」
もしくは、「動いても数ミリだ」という意見もあります。
しかし、仙腸関節は「三次元的」な動きが可能になると1、2センチは動くようになります。
私もはじめは動きませんでしたが、今では自在に動かせるようになりました。
訓練すれば誰でも動くようになります。
❏仙腸関節が動くメリット
・脳脊髄液の循環
仙腸関節は呼吸の動きに合わせて※脳脊髄液を循環させるポンプの働きをしています。
※脳脊髄液:脳室系とクモ膜下腔を満たす無色透明な液体。脳の水分含有量を緩衝したり、形を保つ役割がある。
つまり、仙腸関節の動きが悪いと脳や脊髄にまで影響がでます。
・骨盤の分解
骨盤を一体でしか動かせないと、あらゆるパフォーマンスが低下します。
仙腸関節が動かせると、骨盤を左腸骨・仙骨・右腸骨と分解でき、三次元の動きが可能となります。
三次元の動きにより、野球であればわずかな変化のボールに対応できたり、サッカーであれば足の動きを最小限にし、身体に近いところでボールを操作できるようになります。
体幹の動きと左右の足をバラバラに動かすには仙腸関節の動きが必須となります。
❏仙腸関節を動かす
仙腸関節を動かすカギとなる筋肉は「腰長肋筋」です。
腰長肋筋
【起始】仙骨、腸骨稜の外側、胸腰筋膜
【停止】第7〜12肋骨
【作用】体幹の伸展、側屈
仙骨と腸骨のどちらもに付着する筋肉であり、収縮すると仙腸関節が締まり、伸長すると広がります。
また、腰腸肋筋の上にある筋肉は頸長肋筋、胸長肋筋です。
頸長肋筋
胸長肋筋
つまり、腰腸肋筋を動かすには頸部や胸部の柔軟性も必要となります。
さらに、隣にある最長筋と腰長肋筋が癒着すると腰長肋筋の滑走性が低下し、仙腸関節も動かなくなります。
最長筋
❏腰腸肋筋の調整
はじめに、最長筋が棘突起側に癒着していることが多いので、最長筋と棘突起の間をリリースします。
①まず、棘突起と最長筋の間を指で捉えます。
②捉えたまま最大伸張がかかるまで矢印の方向に動かします。
③棘突起と筋間を滑らすようにややスピードをつけてリリースします。
しっかり最長筋と棘突起間がリリースされるのを感じながら行ってください。
次に、最長筋と腰長肋筋の間をリリースします。
①腰長肋筋と最長筋の間に指を入れます。
②最大伸張がかかるまで矢印の方向に動かします。
③筋間を割くようにややスピードをつけてリリースします。
❏仙腸関節の調整
股関節疾患がある方は脚を下ろした姿勢で③から行ってください。
①このような姿勢をります。
②上げている足を遠位の方向に牽引し、股関節周囲を脱力させます。
(大腿骨頭を骨盤から軽く抜くイメージ)
③腸骨に指を引っ掛けます。
④可能なところまで腸骨を矢印の方向に牽引します。
⑤腸骨を仙骨から引き離すイメージで、ややスピードをつけてリリースします。
※力を抜いて、優しい力で行ってください。
仙腸関節が動くと、大腰筋や骨盤底筋が動き出すので体の深部の力が使えるようにもなります。
ぜひ、行ってみてください!